金田一耕助アートウエーブ

悪魔の百唇譜

井筒屋
井筒屋の絵
大きなケヤキの下
昔の立場茶屋のような店がある
雑貨屋とは名ばかりで、荒物屋に近い
賑やかな鳴き声が、干し草の匂いと混ざって、小路の向こうの鶏舎から届く

仄暗い店の奥には老婆が繕い物をしている
「お母さん、やはり言わないこっちゃない」
「じたばたせずともよいわ」
「どうしろと言うんじゃ」

今夜、責任の擦りつけ合いが井筒屋で行われる事は間違いない
何も知らない跡取り息子は、小学校で勉強中
ノンのコメント
手前の草は帰化植物です。
鶏舎、豚舎を所有しているかなり広い土地。
拡張工事が進行中でも立ち退きを拒否していますので
、掘り返した土がそのままになっているでしょう。
帰化植物はそんなところからも勢いよく生えてきます。
都会の侵略を拒むお婆さんのように力強く。
　

2002/06/24

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