百合の花束
		その山百合を１本ずつ投じた日を思い出す あの断崖に立ち、渦潮に涙した日を思い出す かけ目、伏せ目、表、裏 紫のインクで書かれた編み目記号 誰もいなくなった大道寺家で 智子は一目編んでは遠い日を思い出す 二目一度、かけ目、伏せ目、表、裏 拭いても消えない花粉のように 小さな凝りが胸に残る かけ目、伏せ目、表、裏 神尾先生に繋がるグレーの毛糸 花柱のように長く伸びて
ノンのコメント 金田一さんが智子さんに編み物を依頼する場面があります。聞きたがり屋の彼女に対して「そんなことはどうでもいいんです」「色なんかどうでもいいんです」と何度も言うところが可笑しい。 「不死蝶」のマリさんと同じですなぁ		リクエスト第４１弾　sukekiyo様より How do you like my picture?

山百合（ユリ科・ユリ属）多年草 ヤマユリ系には花弁の中央に黄色の筋が入り、白地に赤の斑点がある。 ユリは、万葉集でも十首を越える歌があり、古くから日本人に愛されていた。切り花として鑑賞されるようになったのは室町時代。 ギリシャ神話では、ゼウスの妃ヘラの乳が飛び、地上に滴った場所からユリが生じたと言われている。ローマ神話では希望の象徴。 （２００２/7月撮影)

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