金田一耕助アートウエーブ

黒衣の人

夏の夜の幻
私はここに居ます。
夕暮れから咲き始めるミモザの木の下で

稲妻に驚いた花びらは、右へ左へ揺れている
噎せるような草いきれ

釣鐘草に願いを込めて
今宵 あなたをお待ちしています

白い閃光が胸の中まで突き刺さる
悪女と言われ 妖婦と呼ばれ

撫子の浴衣を着ている訳を御存知ですか
あなたに逢う夜は
せめて乙女になっていたいから
朝には散る花びらの中で
あなたのものでいさせて下さい

私は、珠美の幻になる
　
（このＢＧＭはHarmony-Hramony様MIDI素材集によるものです）
ノンのコメント
木の後ろに見えるのは稲妻のつもりです。
白い閃光がチラリと見えます。
作中のミモザについてですが、合歓木と判断致しました。
詳細はこちらをご覧下さい下さい。
撫子の浴衣や着物 横溝作品には、撫子の浴衣が何度か登場致します。
なぜ撫子なのかわかりませんが、ご療養先の諏訪では芸者町の真ん中に住んでいた時期があった先生。
夏は浴衣を着たお姉さん方が撫子の花を青い湖から吹く風にひらひらさせていたのかもしれませんね。
「黒衣の人」「音頭流行」「芙蓉屋敷の秘密」
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